【柿】
《特徴》
秋の深まりとともに柿の実が色付き、しみじみとした気持ちになります。柿は、その淑やかな姿に似合わずとてもパワーのある果物です。大き目の柿の実ひとつで、一日に必要なビタミンCが摂れてしまうくらいです。葉に含まれるビタミンCはもっと多く、柿の葉茶や柿の葉寿司として親しまれています。
《性と味》
甘 渋 寒
《体内で作用する場所》(帰経)
肝 胃
《栄養と体への有益な作用》
先に述べましたように、生の柿の実には豊富なビタミンC が含まれています。その他、ビタミンA、カリウムなども多く含まれています。食物繊維のペクチンの量も多く、特に干し柿にすると、一回に食べる量あたりの食物繊維量は、全食品中で最高です。これらの働きで、動脈硬化や高血圧の予防、老化やがんの予防などの効果が知られています。
柿は、古くから酔い覚ましとして用いられてきました。それは、柿の渋のタンニンとアルコールデヒドロゲナーゼの働きです。この成分がアルコールを分解してくれるのです。お酒を飲む前に食べると良いとされています。
柿は、秋が深まってきてからの果物ですが、熱を冷ます性質があるため、冷え性の方や胃腸の虚弱な方は食べ過ぎないほうが良いでしょう。
干し柿にすると、甘味は増しますがビタミンCは酸化されてしまうもであまり含まれておりません。しかし、干し柿についている白い粉のような物は、肺の炎症を抑え、咳や痰、のどの渇きや痛みを取り除く働きがあります。やはり、風邪を引きやすい時期には良い果物ですね。 | | | |
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