【ギンナン】
《特徴》
秋が深まり、黄色く色づいたイチョウの葉は、まことに美しいものです。その葉のように色鮮やかなギンナンの実は、古くから薬効が知られており、晩秋の味として知られています。
《性と味》
甘 苦 渋 平 小毒
《体内で作用する場所》(帰経)
肺経
《栄養と体への有益な作用》
ギンナンは、一度にたくさん食べると消化不良になったり、のぼせたりしますので、大人では一日10粒が限度でしょう。ですから、栄養価はあまり期待できません。栄養成分としては、主成分は糖質で、脂肪分にはコレステロールを減らすレシチンが含まれています。また、ギンナンのタンパク質は、タンパク分解酵素を含みますので、強精、強壮効果があります。
一度に食べられる量はわずかであるのに、これほど薬効が知られていると言うことは、とても優れた働きがあると言うことです。
まず、良く知られているのは、肺に働きかけて咳を止め、喘息に良い、と言うことです。漢方薬にもギンナンを主成分にした咳止めの薬があるほどです。
また、強精作用により、尿の排出をコントロールしますので、おしっこの漏れに良いといわれています。一昔前までは、おねしょをする子供に良く食べさせていました。
最近の研究では、ギンナンの成分の中に、結核菌やがんの発生を抑制する、高血圧を正常化させる、などの働きがあることが知られてきています。
いつもなんとなく茶碗蒸しの中で見かける程度のギンナンですが、なんと優れた働きがあることでしょう。小さいながら効果抜群の食品なのです。 | | | |
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