【目指せっ!錆びないカ・ラ・ダ vol.3】


目指せっ!錆びないカ・ラ・ダ vol.3



 《酸化と病気の関係》
 
酸素は、私たちが生きていくうえで必要不可欠なものです。

しかし、その“酸素”が行き届く場所では常に活性酸素発生の可能性があり酸化の害が懸念されるのです。

では、具体的な病気と活性酸素の関連性について見てみましょう。

 
 ●ガン

私たちの身体の中に異質な細胞が発生し、どんどん増殖してほかの正常な細胞を傷つけ、食い荒らして言ってしまう状態が「ガン」です。

このガンの発生原因は、活性酸素によってDNA(遺伝子)が傷つけられ、遺伝情報が変わってしまい異質な細胞(ガン細胞)が生まれてしまうこととされています。

最近、耳にすることの多い「発がん物質」とは、DNAを傷つけ細胞のガン化のきっかけを作ったり、ガン細胞の成長を促したりする物質のことですが、その多くが活性酸素の発生源なのです。

「発ガン物質」の中には、直接DNAを傷つけるものもありますが、多くの場合、発ガン物質が作り出す活性酸素がDNAを傷つける要因となっているのです。


 ●脳疾患

 脳は、私たちの身体の中でも特に酸素の消費量が多い場所です。脳を構成している主成分は、脂肪です。脂肪の中でも、特に酸化しやすい不飽和脂肪酸が多く含まれるので活性酸素の影響も受けやすいのです。

しかも、脳に集中しているたくさんの大変重要な神経は、一度変性すると二度とは再生しないのです。

活性酸素の影響による脳疾患には「脳血管障害」「アルツハイマー病」などがあります。

「脳血管障害」の場合、血管が活性酸素によって老化してしまったり血流の滞りや急な血流の増加などで、組織障害が進んでしまう恐れがあります。

「アルツハイマー病」も、その主原因である脳神経細胞の死滅に活性酸素が関わっているとされ、これを裏付けるように、アルツハイマー病の患者の脳には、ある種のたんぱく質が酸化してできたと考えられるシミ(老人斑)がみられるのです。


 ●動脈硬化

動脈硬化の危険因子は、LDL(悪玉コレステロール)とされていますが、このLDL(悪玉コレステロール)も活性酸素により酸化されなければ、それほど害はないものと言われているのです。

また、動脈硬化の症状の一つである動脈の肥厚(血管壁が厚くなる)原因の一つにも、活性酸素が間接的にマクロファージに影響を与えている事が考えられています。

 
 ●皮膚

紫外線を浴びると、肌や皮膚細胞内の水分が破壊され、活性酸素が大量に発生します。活性酸素は皮膚の構成成分のひとつである脂質を酸化させ“過酸化脂質”を作ります。

また、老化脂質といわれるリボフスチンも作り出すため、シミの原因になってしまいます。

さらに、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力性を保つ成分も酸化によって変質するため、シワ・たるみの原因にもなるのです。


 ●目の疾患

目は、身体の中でも最も紫外線の害を受けやすい部分です。活性酸素が関与している目の疾患として白内障があります。

眼球には、不飽和脂肪酸(=酸化しやすい)が豊富にあってこれが活性酸素により過酸化脂質に変性しやすいのです。そのため眼球の水晶体には、活性酸素の害を防ぐための効酸化物質がもとから多く存在しています。

ところが老化が進むにつれて、その効酸化物質が減少してしまうため高齢者は白内障にかかりやすくなってしまうのです。

 
●このほかにも、肝機能障害、腎炎、関節リュウマチ、肺気腫や肺がん、糖尿病、胃潰瘍、アトピー性皮膚炎などの発症や悪化には、直接、間接的に活性酸素が多く関わっていると考えられています。