体温調節で健康維持! Vol. 2


     体温調節で健康維持! Vol. 2

《身体の内部の温度》
体の内部の温度をみてみると「脳」や「心臓」といった大切な臓器はその働きを保つため37℃と高い温度で安定しています。また、代謝が盛んな「肝臓」などはさらに高く38℃前後の温度を保っているのです。
逆に、外部の環境の変化を受けやすい皮膚表面などは比較的低めの温度になっています。
また、体内の「細胞」が活発に活動するのに最も適している温度は37℃前後といわれています。
このくらいの温度で酵素がしっかり働き、代謝がスムーズに行われ、逆にまた代謝が盛んに行われることで37℃という温度が維持されているわけです。
これ以上に体温が上がってしまうと酵素活性がなくなってしまい、下がってしまうと代謝ができなくなってしまい細胞の活性力もなくなってしまうのです。

《体温調節のメカニズム①》
健康体を維持する重要なポイントの体温維持は体内のエネルギー代謝による「熱の産生」と「熱の放散」がいかにバランスよく行われているかにかかってます。

●熱の産生
体内のエネルギー代謝(栄養素の燃焼)により「熱」が作り出されます。
この「熱」の産生の多くは栄養素を作り変える「肝臓」と体を動かす「骨格筋」で行われます。
これが「基礎代謝」や「筋肉運動」と言う「熱」の産生になります。
甲状腺ホルモンは代謝機能を正常に保つ働きがあり「熱」の産生にも影響を与えています。
こうした働きによって体温が上昇する事により新陳代謝が高まり、更にまた「熱」が作り出されるのです。
●熱の放散
熱の放散には以下のような種類があります。
皮膚から熱が逃げる=輻射、空気を伝わって熱が逃げる=伝道、空気の流れによって熱が奪われる=対流、
汗による水分の蒸発等による物理的な放熱・・・などです。
その他、呼気、尿、便などからもわずかですが放熱されています。

《体温調節のメカニズム②》
この体温調節を司っているのが脳の視床下部にある体温調節中枢である「自律神経」と「ホルモン」なのです。

● 寒さを感じた場合
皮膚への寒冷刺激⇒視床下部の体温調節中枢が平常より高い体温に調節するように動き出す⇒副交感神経や甲状腺ホルモンを通じ副腎皮質や甲状腺からのホルモン分泌促進⇒代謝による発熱量の増加
● 熱さを感じた場合
皮膚への熱刺激⇒視床下部の体温調節中枢が熱を放出するよう反応⇒皮膚の血管が拡張し多量の血液を流して皮膚温度を下げる

<大切な発汗機能>
汗の蒸発によって体温を下げる“発汗”は体温を下げるのには最も有効な手段です。
暑い時に汗が出なければ、体内に熱がこもって体温が上昇し、著しい場合は熱中症、熱射病、日射病になってしまい命を落とす事態にもなります。
暑いときや運動をしたときにきちんと汗をかくことができるのは、体温調節のうえで大変重要なことなのです。

<体温調節メカニズムの器官>
・皮膚・・・体温の温度センサー
・脳の視床下部・・・体温の調節器官。視床下部が自律神経を統括している。
・ホルモン・・・視床下部からの指令を実行させる
・心臓・血管・汗腺・・・ホルモンによって調節され変化する
・血中のヘモグロビン・・・エネルギーの燃焼に必要な酸素の運搬