体温調節で健康維持 VOL 4

体温調節で健康維持! Vol. 4

《熱の異常! 低体温》
“低体温”という言葉を聞いたことがありますか?
これは一般的に35.5℃くらいの体温の状態を指して言います。
通常、体温が下がると体温調節中枢機能が働いてこれ以上に熱が失われないように“ふるえ”や
“筋肉の硬直”(寒いとキュっと縮こまって力が入りますよね)などにより熱の生産を高めて
体を正常な状態に保とうとするのですが、これがきちんと機能しない状態=低体温ということに
なるのです。
“低体温症”は体の直腸温が35℃以下になってしまう状態で、場合によっては死に至る大変危険な
状態なのです。
● “低体温症”が起こるケース
・ 海や山などで遭難するなどして、急激に体が冷えてしまった場合
・ 急性アルコール中毒や脳疾患により意識障害を起こしたまま気温の低い常態にさらされた場合

<低体温による身体への影響>
① 免疫力の低下
私たちの体は熱を生み出すことによって免疫細胞の一つであるリンパ球などが活性化して外部からの
細菌やウィルスと戦って健康を維持しているのです。
ところが必要な体温が維持されないとリンパ球が活性化されず感染症やアレルギーになりやすくなるます
しかも・・・
実は、がん細胞が最も好む体温が35℃と言われており、低体温のために免疫細胞が正常に働かずに
発生したがん細胞がどんどん増殖してしまうと言う事態に陥ってしまう可能性が高いのです。
② 基礎代謝の低下
基礎代謝の低下 → 脂肪燃焼がしにくくなる → 肥満
・・・と言う構図ができあがります。
また、エネルギー不足で内臓の動きも悪くなり、胃腸障害、肌荒れ、便秘などの症状が出やすくなって
恒常的に体調の優れない状態になってしまいます。
③ 体内酵素活性の低下
細胞が代謝活動がするには37℃前後の温度が必要となりますが、体温が低いと酵素が十分に活動できず
栄養素の吸収が不十分なことによってエネルギー不足となり慢性的な疲労、神経やホルモン系のバランス
が崩れて生命維持活動自体に支障をきたしてしまうのです。
④ 不妊症の誘発
低体温の場合、子宮内の温度も低くなっているため、卵巣機能の低下によって子宮内に着床した卵が
十分に成長することが出来ず、不妊症になってしまったり、または妊娠しても流産するというような
ことが起こりやすくなってしまいます。

<体温と体の状態>
・36.6℃=健康な人の基礎体温  体の細胞の新陳代謝が活発で健康な状態
                免疫力も高く細菌等にも感染しにくい   
・35.5℃=低体温        自律神経失調症などの症状。便秘やアレルギー体質など
                新陳代謝が活発でない状態
・34℃=生死の境目       自分で自分の体を自由に動かす事の出来ない状態
                海難救助で救出後生命活動が維持できるか判断する体温
・33℃=死の寸前        ほとんど自分の意思で体を動かす事はできず、
幻覚が見えてくるような状態(雪山での遭難などのケース)

このように“低体温”は“発熱”以上に生命活動への影響が大きい体の緊急事態なのです。
低体温になってしまう原因には病気や、長時間寒さにさらされたような場合を除くと“冷え”
が大きな要素となっています。
“冷え”は体の体温調節機構が何らかの原因によって正常に働かずバランスが崩れてしまった

ときにおこります。
例えば、更年期障害によるホルモンバランスの崩れ、夏の室内温度管理不十分による冷房病、冬でも
薄着を防寒の不十分さや無理なダイエットによる基礎代謝の減少、過度のストレスによるもの・・・
などなど。
そのまま放置しておくとやがては病気になってしまう“冷え”に気づいて、日頃からケアすることにより
正常な体温と健康な体が維持されていくのです。