【体温調節で健康維持! Vol. 3】


体温調節で健康維持! Vol. 3

《熱の異常! 発熱》
私たちの体温は一日中同じでまったく変化がないわけではありません。
健康な状態でも体温は朝~晩までの間で高低差があり一定のリズムで変化しているのです。
ところが何らかの原因によってそのリズムが狂ってしまい熱が異常に上がる、又は下がるはずの熱が
下がらない状態を“発熱”ととらえます。

<一日の体温変化パターン>
朝:最も低い状態→活動と共に次第に上昇
14時~17時:体温のピーク(最も高い)
夕方:ゆるやかに体温降下
夜20時頃:更に下降する

●一日の体温の差
通常:0.3~0.4℃・・・一日の差の大きい人でも1℃以上にはならない
朝の体温より午後になってからの体温が1℃以上上昇、夜になっても下がらない場合→「発熱」という判断

<発熱の段階>
 微熱    37.0℃~37.9℃
 中等度熱  38.0℃~38.9℃
 高熱    39.0℃以上

<感染症における発熱のメカニズム>
細菌・ウィルス等が体内に侵入 → 血液中の白血球、リンパ節、免疫など体の防御細胞がそれらを捕食
⇒「発熱物質」を作り出す
   ↓
「発熱物質」は血液によって脳に運ばれ「体温調節中枢」に作用
   ↓
「体温調節中枢」が「高温」にセットされる → セットされた温度まで上昇させるため「熱」を産生(寒気がしてふるえる等の身体症状)→ 「熱」の「放散」を防ぐため発汗が抑制、血管は収縮、皮膚温度は下がる
   
    ↓
「発熱物質」の「産生」が止まると「熱」の「放散」が起こる(汗をかく)
* 解熱剤は一番最初のところで作用し「発熱物質」の生成を抑制する働きがあります

通常、発熱で一度上がった体温も汗をかいて放熱することで最終的には下がり正常な状態に戻るようになっている
のですが、脳炎などのように脳そのものが病気に侵されて体温調節中枢が傷ついてしまったり、熱射病のように外部から過度に高熱を負荷された場合は例外で、体温上昇→下降の調節機能自体が麻痺し、生命にとって危険な状態に陥る場合があるので注意が必要です。