【月経と五臓の関係から妊娠を考える】
女性は14歳前後になると初潮を向かえ、毎月の規則
正しい月経が始まる様になる訳ですが、東洋医学的に
この生理現象を捉えると次のように理解しています。

人間の体で精を育み蓄える場所は”腎”であり、生殖機能の要ともなる場所です。

腎のエネルギーとなる腎気(じんき)の働きがメインとなり、生殖を司ります。

そして、血海とも呼ばれる”衝脈”(しょうみゃく)と陰液の海ともよばれる任脈(にんみゃく)がこの
”腎気”をサポートします。

また、月経は血(けつ)の営みで起こるので、血液の質や量、循環なども重要になります。

血(けつ)の働き、力、質が弱かったり、不十分だと、それだけで、正常な月経には至りませんし、
”不妊症”や”流産”にもなりかねません。

東洋医学では血液と五臓の密接な関係を次の様に説いています。

肝は血(けつ)を蔵す・・・血液の蓄えの源

心は血(けつ)を主る・・・血液の循環を司る

脾は統血(とうけつ)する・・血液が生まれる

肺は宣発と粛降を司る・・気の流れが血液を運ぶ

腎は髄を主どる・・・ 血の重要な根幹を成す

と説明がつきます。

ゆえに、五臓の働きが順調ならば、又、月経も正常
となり、逆に 五臓の働きが低下していれば、どの
角度からも月経のバランスがとれにくくなってくるのです。

 ”妊娠”は五臓それぞれの働きや五臓間のバラン
スが取れていないと難しい状態でもあるので、この辺から、体の体質、症状を分別し、それにあった中成薬(漢方薬)を選択していきます。