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~VOL1~胸腺とは

 ここでは健康維持や病気から体を守る防御システムの担い手である免疫についてお話するコーナーです。
今回まず最初にお話しするのは、優秀な免疫細胞達を育てる高等教育機関である“胸腺”についてのお話です。
胸腺? 何ですかそれは? とおっしゃる方も多いかもしれませんね。
無理もありません。
これは免疫の世界でもちょっと高度なお話になるのです。
しかし、免疫システムをよく理解するには胸腺について知る事は不可欠ですのでお話しようと思います。
人は若いとき多少無理しても健康を維持できたり、逆に年をとるとちょっとの事で病気がちになったり、具合が悪くなったりということは皆さんも実感していることでしょう。
実はこれは胸腺の発達、衰弱との関係も深いのです。
まぁできるだけ分りやすく説明していきますので気楽に読んでみてくださいね! 簡単にいいますと、胸腺とは胸骨の後ろ側にある扁平葉状の器官です。
実はこの器官は、約40年前までは、何の役にもたたない無用の臓器と思われていました。
ところが、ある動物実験の中で胸腺を取り除いたマウスが感染症にかかりやすく、抗体産生機能低下や、早死することが明らかになり、その存在の重要性が認められました。
胸腺とは免疫細胞達をスキルアップするために高等訓練する教育機関みたいな場所です。
免疫細胞の故郷は骨髄幹細胞ですが、ここから一定の細胞は胸腺に流れていき、胸腺学校のエリート教育を受けます。
そしてこの一定の教育を終了した免疫細胞たちは卒業試験として二つの厳しいチェック試験を受けます。
ひとつは自己と非自己をはっきりと認識できる能力を備えているかどうか、そしてもうひとつは自分の味方を決して攻撃することがないような識別能があるかというチェックです。
このチェックに合格できるのは胸腺学校を卒業した免疫細胞の中でもわずか3パーセント程度の超エリート免疫細胞に過ぎません。
そしてこのチェック基準に不合格となった免疫細胞はアポトーシスという自殺死をするように導かれます。
しかし胸腺学校で監視官のチェックを逃れて外に出てしまう欠陥免疫細胞もあり、時にこれらが自己となる免疫を攻撃し、自己免疫疾患?全身性エリテマトーデスや関節リウマチなど?を引き起こすのです。
胸腺の特徴として小児期に発達、成長し、10代の半ば位にまでに約35グラムと最大になり、思春期以降は徐々に退化していき40代でだいたい半分ぐらいになり、老後にはほとんど脂肪の塊ぐらいになってしまいます。
ですから胸腺由来の免疫は若いころがレベルが高く、概して病気になりにくく、逆に高齢になるとそのレベルが低下していき病気になりやすくなるということが言えます。
ちなみに過度なストレスやステロイドホルモン剤の多用は胸腺を萎縮させ、免疫機能の低下につながりますので気をつけましょう。